2012年3月17日土曜日

小さな演劇を作ろうin岡山



アルクト招聘公演第二弾、ということで、岡山に来ております。
県庁所在地における降水量1㎜未満の日数が最多であることから、
「晴れの国岡山」を県の標語としている岡山。
ですが、昨日の夜は気持ちいいくらいの大雨に迎えられました。

昨日16日(金)は、地元の方とのWSということで、
そんな大雨の中10名の方に参加していただきました。
WSのタイトルは「小さな演劇を作ろう」。
絵本を元に、短時間で演劇を作り上げるという内容です。
普段は児童館などで子ども向けに行っているWSですが、
今回は参加者の年齢も様々。
一体どんな作品に仕上がるのか…

白鳥さんのリードの元、簡単な体ほぐしをしてから、
2チームに分かれて絵本を選びます。
今回は「大きなカブ」と「ブレーメンの音楽隊」が選ばれました。
各チームのリーダーが絵本の朗読をし、内容を把握してから稽古スタート。
絵本はもう見ずに、1時間程度で作品を作って行きます。

最初は戸惑いや遠慮もあり、「どうしよう」「どうしよっか」
というぎこちない雰囲気の中で稽古がスタートしましたが、
一つアイディアが出ると次から次へといろいろなアイディアが飛び出しました。

一つの班は「ブレーメンの音楽隊」と、岡山に縁のある「桃太郎」を合体させ、
年老いた桃太郎たちが年金を横領した犯人を退治する、
「ブレーメンの音楽隊岡山バージョン」
という社会問題も取り扱った(!)作品となりました。
(写真1枚目)

もう一つの班は「大きなカブ」のカブが、
本当は抜かれたくないと思っているかも、というところから、
人が増えるのにつれてカブたちも自分たちを引っ張り合うという
「みんなカブ」という作品を経て、
畑に植えられた野菜達がおじいさんに次々と抜かれて、
最後にはカレー鍋になる「カレー寄せ鍋」という作品を作りました。
(写真2枚目。野菜のポーズ)

どちらの班も短時間で作ったとは思えないほど面白く、
何より皆さんが舞台上で生き生きとした表情をしていたのが印象的でした。
皆さんの表現力に仙台からのメンバーも刺激を受けたようです。

最後に今回の招聘公演の演目の一つ「笑うべ」をお試し上演し、
WSの参加者の中からお二人に、女子高生役を演じていただきました。
本番はお客様の中から女子高生役を募り、演じていただきます。
こちらも楽しみです。

WSを通して改めて思ったことは、
「演技」というのは「別な人格を身にまとう」という風に思われがちですが、
そういう技術を持っていなくとも、そのままのその人で舞台上に立つ。
それだけで十分魅力があり、ドラマチックなのだなということです。
それだけに、僅かな時間でもぐっとその人の人格に近づくことができる、
ような気がする。
演劇って、そんな不思議な力があるのだなと感じました。

今日から本公演、初日を迎えます。

事務局 高橋彩

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