2012年8月25日土曜日

海辺に住まう人々の物語

一年と6ヶ月が経とうとしているなか
私のまわりでは震災について話すひとはわずかになった。
流された家から唯一残った父はだいぶ前から何も話したくないようだった。
母に置いて行かれた祖母と
あの日を機会に出会ってあの日からずっと沿岸部に通っている先生と
地震を体験して、すぐに動いた近しい友人だけだ。

祖母はどんどん過去に戻っていっているが
先生も友人も「風化」について懸念している。



「津波後は旅の者に満たされる」

直後は多くの人が泥をかきに来て助けられた。
道路は直り、瓦礫は片付けられ、家の修理も始まっている。
現在はボランティアセンターのニーズも少なくなってきているが
何もできない家はあり、まだ泥出しをしている地域もある。

一方で日本中から、海外からたくさんの人が訪れた。
失われた土地を盛り上げようと様々な企画が立ち、
何かしようとする人が集まり、
「復興」市場という名前の観光地もできた。
そして記念撮影が行われている。
たくさんの人が亡くなった場所で。

震災を経てできた作品も数多くある。
表現者の中ではこの機会をチャンスとしたり挑戦としたりする人も
いるかもしれない。


震災を、喪失を、消費してはいないか
問いが持たされる。


感触の風化は一年経って急激に早まった。




私は8月30日に初日を迎えるTheaterGroup "OCT/PASS"「方丈の海」に
「写真」として参加している。

これは挑戦でも何でもない。
私は震災を機に何かを表現したいと思わなくなった。
写真は私が受けとめたものだ。けれども写真は
「編集」や「公開」されることによって、受けとめた事実が
フィクションと見られることもあると思う。
そして消費と見られることもあると思う。
見られてしまうことも受けとめることなのかもしれない。
私はあの日から日日を毎日受けとめ続けているし
これからもずっと受けとめ続けようと思っている。
町や日常は変容していくかもしれないが
自分が大事していることは変わらない。



大事なものをなくさなければ人は生きられる。

演出の石川さんは
震災に自分はどう向き合っているのかということ
自分が生きているこの地のこと
東北について学ばなくてはならない
と稽古場でおっしゃっていた。

人それぞれ様々なかたちで残っている。あの日のこと。
舞台に立つ役者たちはそれぞれのかたちを持って向き合っている。
東北という場所で生きて紡ぐ海辺の物語。


TheaterGroup "OCT/PASS"「方丈の海」2012/8/30〜9/8 せんだい演劇工房10-BOX

川村智美

2012年8月24日金曜日

8/12 みなみまち cadocco


気仙沼復興商店街-南町紫市場にある『みなみまちcadocco』で、「おはようシアター☆おもちゃ箱」を上演してきました。この公演は、新しい公共のためのモデル事業「アーティストと子どもたちでつくる創造的アートプログラム」として行きました。気仙沼で「おはよう☆キッズ」というプログラムを実施するために、何度か気仙沼へ通っていろんな方と少しづつ知り合い、まずはこんにちはと挨拶の意味をこめての上演でした。

南町は津波被害にあった地区ですが、再び南町で暮らそうと決意した方々が、子どものコミュニュティーの復活を目指し、「集まる」「つくる」「楽しむ」をコンセプトに、比較的被害の小さかった空き店舗を活用して『みなみまちcadocco』をつくられたそうです。『みなみまちcadocco』は、通りに面して二方向が大きなガラス張りになったスペースで、外から何をしているかが見えて自由に出入りができ、まさに子ども達が気軽に集まれるおもしろい場所です。さらに、遊び場としての機能だけでなく、情操教育や文化芸術に触れることができる場所としての役割を目指しているということで、様々なワークショップなどが行われています。

当日は、『気仙沼みなと祭り』の二日目でした。気仙沼にあるいくつかある仮設の商店街では、それぞれイベントなどが催されたりしたようです。南町紫市場でも、野外ステージなどが組まれ、地元アイドルなどが来ていました。その盛り上がりに便乗して、たくさんの幼児親子さんとこんにちはできるんじゃないかしら、と乗り込んだのですが、始まる間でどのくらいのお客さんが来てくれるか全くわからずドキドキでした。チラシをつくり、仮設住宅にお住まいの方々にまいていただいたり、児童館や高校に送ったり、地元の新聞にのせてもらったりしたのですが、残念ながらチラシを見て来たという親子さんはいらっしゃいませんでした。ですが、商店街を歩いていた幼児親子さんに声をかけると、どんど ん集まってくれて33人(大人、子ども含む)の方が集まってくれました。

今まで呼ばれて上演していたのと違い、自分たちでいろんな方と出会ってお話をして、まずは上演させてもらってこんにちはしよう!という初めての試みでした。いつもと勝手が違うからかちょっと緊張したのですが、いつも目の前にしている幼児親子さんと同じように、手を動かし、声を出し、体を動かし、笑顔を見せてくれました。公演後は飲み物やお菓子を食べながら、お話もしました。仮設住宅に住んでいるというお母さんや、お盆休みで気仙沼に帰って来ているという5歳の女の子。とても楽しい時間を過ごせました!!とはいえ、もろもろ反省もあるので、一回一回気づいたことを改善しながら、徐々に気仙沼のみなさんと顔見知りになっていければと思います。次回は8月28日に、気仙沼市立古町児童 館に、おもちゃ箱のようなお楽しみを届けに行きたいと思います!

おはようシアター 川熊美貴

2012年8月15日水曜日

8/13 いわて子どもの森で世界の踊り体験


岩手県立児童館いわて子どもの森に行って来ました。
日産プレジデント基金あそびプラスOneプログラムとしての参加です。
お盆休みのこの日は、サマーフェスティバルの一環で世界のダンスを体験するコーナーが企画されていました。
そこに、インド舞踊をインドで学んだ居舘倫絵(すんぷちょメンバーで岩手県在住)と、
ホンジュラスでサルサを体験した千田みかさが行って来たのでした。
同じコーナーでは他にネパールの踊りの紹介(秋田の青年海外協力隊OB)、ハワイのフラダンスの
発表(岩手のフラダンスチーム)が行われました。

この児童館は「子どもが自分で責任をもって自由に遊ぶ」をコンセプトにしています。
真っ暗になったり素敵な照明に変化するトンネルみたいな廊下があったり、3階まで吹き抜けになっている
空間の天井に雲が吊ってあったり、そこを滑り台で降りて来れたり、子どもラジオ局があったり、
「おもちゃの湯」があったり。
子どものテンションを上げる工夫がアチコチにありますが、「ああしなさい」「それはダメ」という大人の姿がないのです。
職員は「プレーリーダー」と名乗っていて、廊下でテンション上がって走ろうとする子に「行け、行け」と
励ましたり、家族に「ここはみんな走りたくなるんですよ」と子どもゴコロの理解を促したりする役目を担っているようです。

さて、「世界のダンスコーナー」ですが、館内の広場のようになっている空間で行いました。
当日はあいにくの荒れ模様。いつもだと外の池で水遊びや泥んこ遊びを楽しみにしている子どもたちと家族が、
館内で右往左往しています。

倫絵さんによるインド舞踊が始まると、集まった子どもたちは前にぐっと乗り出して見ています。
無音で踊る儀式のような踊り。そのおごそかな空気は、ざわめく空間でもちゃんと伝わっているようでした。
「では、立って一緒にやってみましょう」と呼び掛けると、これは難しかった。
人の往来のある場所での体験型プログラムは参加者はしり込みしてしまうのですね。

ホンジュラスのダンスでも同じでした。
サルサはホンジュラス人が集まると踊る人気のダンスなので、ホンジュラス発祥ではないのですが、紹介しました。
が、元々カップルで踊るので、観賞してもらうこともできず、まず体験と思って始めましたが、参加してくれる人がいない!
まるで路上パフォーマンスです。
一人、乗って来てくれた婦人がいたので、ホンジュラスの話をしたり、スペイン語のあいさつをしたりしながら、
サルサの音楽をかけてステップを一緒にやってもらいました。
次第に人が集まって、「Hola!」「Hola!」とやり取り、サルサの音楽でダンスを体験してもらえました。


同じプログラムを2回行ったのですが、路上のような場所で体験型プログラムをすることの難しさを痛感しました。
子どもの森のスタッフも予想外だったようです。
ただ、観賞型にすれば人は集まるけれど、それでいいかというとちょっと違うかもしれません。
「体験を」と願って立てられた企画だったので、参加人数20名くらいは、あれでよかったかなとも思います。
自由に出入りできる子どもの森の特長を考えて、参加しやすい体験のやり方は工夫しなければ、とは思いました。

障害のある子どもたちがノリノリで踊ってくれたのに、助けられました。
やっぱり、私はどこでもかれらに助けられるんだなあ!

個人的には、路上パフォーマンスはひさしぶり(路上じゃないけど)。
楽しかった!また、路上やりたいと思ってしまいました。


すんぷちょ代表 千田みかさ

8/12 広瀬川でミサイル


2012年8月12日、『広瀬川夏祭り&親子ボート教室』に短距離男道ミサイルとして
「キャプテンバルボアのマチョムキン体操」と「モーレツ!!男だらけの大喜利大会」の
ふた作品を出前してきました。
天候が心配されていましたが、一滴の雨も降ることなく、むしろ熱中症が心配されるほどの
ムシムシした暑さの中での実施となりました。

今年の5月、同じく緑地帯でのイベント「広瀬川で遊ぼう」にも参加させていただき、
そのご縁でまたお声がけいただいたのですが、同じ作品をやるのでは面白くないと思い、
「キャプテンバルボアのマチョムキン体操」のブラッシュアップバージョンと
「モーレツ!!男だらけの大喜利大会」という新作を持ち込ませていただきました。


「キャプテンバルボアのマチョムキン体操」は、キャストも変わり、音楽やSEも一新したニューバージョンで、
子供たちにもより伝わりやすく、また、大人も楽しめる作品になっていたのではないかと思います。
今後の実施の機会があれば、屋外屋内問わず、いつでも上演できる状態にしておこうと考えています。

「モーレツ!!男だらけの大喜利大会」は、やっていることはバラエティ番組の企画的なものなのですが、
こちらはテレビとはちがってカットもカメラ移動もない、そして音声を拾うこともできない舞台なので、
出演者の即興能力が試される場になります。
そしてなんと、広瀬川市民会議の会長であられる工藤さんにゲストとして登壇していただくことになり、
会場は大盛り上りでした。
最後の競技「身ぐるみ剥がさでおくべきか」では、ミサイルの面白さが十分に出ていたのではないか
と思います。

最後には、ありがたいことに来年5月への出前の予約もしていただき、
今後につながってく内容にできたのではないかと思います。


出前活動では、通常の公演では出会えなかったであろう方や新鮮な反応との出会いに溢れています。
こういった経験は必ず、アーティストとしての自分の活動の栄養となり、
活動の幅を広げることに寄与するものであると感じます。
来年、また伺うことを楽しみに、これからの活動に励んでまいりたいと思います。

澤野正樹(俳優)

2012年8月14日火曜日

Kid'sプロ蓬莱に







日産プレジデント基金あそびプラスOneプログラムとして
Kid'sプロ蓬莱に出前に行った
白鳥英一さんのプログラム「おぼろ月、龍の嫁入り」
に参加した松田竜一です。

8/6
ゆうたんにただ一言「行く?」といきなり言われて、反射的に「行く」と答えてしまい、
10分後にはわけもわからず村長役の台詞を読んでいたという今回の出前稽古。
いまとなってはあの時アルクト事務所でぼおっとしてて、よかったなと思ってます。

この日、役者も初めて朗読劇の台本をもらい、とりたててウォームアップなどなく読み合わせが始まりました。
台本をもらうのはいつでもワクワクするのですが、今回の龍への嫁入り譚はとても面白かったのです。
だから、参加しているキャストたちが、急遽の僕も含めて自然と動きたくなっているのが感じられ、
二回目には既に、台本をもった立ち稽古のようになっていました。

台詞を覚えなければいけないという労力が不要な分、
芝居心と空間に対する動線の感覚が自由に使うことができたと思います。
短い話なので、台詞直し、動線の意識確認をさくさく行う中に、龍にミエがまたがって空を飛ぶ情景などが
ふっとしっかり姿をあらわしていく様を目にして、ほんとうに参加してよかったと思いました。
芝居は何もなくても身体と想像力があればできる。
音楽と美術と光があればなお良い。
そういう基本的なところをみた気がしました。
ミエ役に少し歌が入ったのもよかった。

自分も最年少で村長ふられたときは今日中に降ろされると思ったけど、なんとかならずにすみました。

演劇がおもしろいと思えたことがこの日のとても大きな出来事でした。


8/7
稽古回数一回。いきなりの本番。
福島にくるのは初めてで、僕と同じ背丈の線量計が立つ児童館を見るのも初めて。
だけど、それ以上に子供たちに芝居をするっていうのが初めてでした。
けど、あまり不安はなかったです。
では、はじめまーす、という感じで、本番が始まりました。
ふすまをパネルにしただけの簡素な舞台です。
だけど、楽しかった。
子供たちと芝居をやりながらなんだか目と目が合ってコミュニケーションが生まれてしまい、
芝居を通して遊んでたら子供から「すんげえおもしれえんだけど」という声が起こり上々です。
ありおさんの龍がまた、全霊でやってくださるものだから、子供たちも共演者も楽しめました。
上島さんとアリオさんのシーンは芝居の緊張感が見え、子供にもそれが伝わったろうと思います。
やぁさんの語りが流れを寄せて行くのですがその中登場していったのは心地よかったです。
もっと泣かせるところは泣かせたかったと思うのですが、そこは…力及ばず。

でも結果としては、子供も僕らも面白かったといえたのでよかった。

観劇後の子供達のモチベーションをそのまま活かす形で始まったので5、6人で支える龍という
大きな工作でしたが、ガンガン形が出来上がって行ったと思います。

やっぱり大人側が芝居をやりきってスッキリした状態で工作の時間にはいれたというのは大きかった
と思います。


子供にやり方を教えるのではなく、発想させることもよくできたんじゃないかなと思います。
まず作戦会議として10分絵を描いてもらい、時間がきたら材料を争奪し、手に入り次第作り始める
という流れで工作が始まりました。
チームがふたつに分かれたのですが、うちのチームには女手しかおらず、飾り付けの話ばかりでどうなるのか
と思ってましたが、はじめに足を布につけるという大元のアイデアに取り掛かっていたため最後はちゃんと
龍になりました。
その辺は多少、大人が、子供に相談を持ちかけながらも、先に流れを作っておいたところはあると思います。
ふたチームとも、テイストのバラバラな巨大龍を時間内に作りあげることができました。
今思えば、あの時間内であそこまで作れたのはすごいと思います。
子供たちが5、6人で持ち上げる大きな龍だったのですが、大人が背負って子供たちに見せてあげることも
できました。
子供たち大喜び。作戦会議の時間をもっと工夫すると、工作に入る前に女の子も男の子ももっとアイデアが
だせるようになるかもしれません。
あと、出来上がった龍で遊ぶ時間が少し少なかったので、もっとそのあたり欲張ったプログラムを作っても
いいかなと思います。
時間が短かったので今回はこれがせいいっぱいだったと思います。
今回は、とにかくあらゆる素材を持ち込んだわけですが、この素材にもっとクローズアップして、
ものをつかうとなにができるかということを豊かに発想するプログラムに発展させることもできそうだな
と思いました。
そう考えると可能性を持ったプログラムだと思います。

でも、やはり今回の一番のポイントは初めの朗読劇のクオリティがしっかりしていたことにあると思います。
だから、そこからはいくらでも展開していいという風になるわけで。
子供たちはやはり普段見れないものを見たがっていて、見た後は参加したがるものだから、
お芝居の人は、純粋にお芝居を見せるのが一番有効なのかもしれないなと思いました。

今回の出前、参加させてもらえたことほんとうに良かったです。

松田竜一

2012年8月13日月曜日

8/8 kid'sプロ美郷「秘密基地大作戦」篇






8/8。立秋翌日、暑さがやわらいだ過ごしやすい日。
福島市松川町kid'sプロ美郷。

日産プレジデント基金あそびプラスOneプログラムとして秘密基地大作戦を実行してきました。
(ARC>Tからの参加メンバー:白鳥、上島、小濱、千田、大沢)


この日集まったちびっこは1~6年生○○名。
普段数人ずつ時間交代使用しているプレイルームで、
も~ぐちゃぐちゃになりながら、全員でおもいおもいの創作遊びを楽しみましたよ。

小学生限定通行可能な迷路(私も行ける所までむりやり通ってみました…)
わんぱく男子手作りのお化け屋敷
段ボール家電製品据え付けの秘密の小部屋
ブルーシートで海の屋根
トイレットペーパー芯の双眼鏡
ペットボトルのバズーカ砲
などなど

2階のDVD視聴部屋は色の実験室に様変わり。
小さな博士たちが自分の手足をキャンバスにし、
絵具のヌルヌルヒンヤリした感触も堪能しながら実験に専念していました。


普段身近にある素材をふんだんに使い遊ぶ中で、
どんどん広がる彼らの世界。
彼らの物語。

たくましいぞ!
すばらしいぞ!

震災後、この施設では外遊びの時間を持てていないそうですが、
そんな制約をものともしない、ちびっこ達の「遊び力」におおいに触発された1日でした。

ありがとう。
またね。


大沢佐智子

2012年8月12日日曜日

海の星

8月11日(土)、宮城県美術館主催の追悼イベント
「元気キャラバン閖上:鎮魂・夕日のセレモニー」が名取市閖上で開催されました。




広浦橋のそばの空き地でおこなわれた「 海の星 | 鎮魂と再生のパフォーマンス
 ― 海に消えた命は海の星となって永久に輝くことを希って ―」では、
仙台在住の舞踏家、小山朱鷺子さんのディレクションで、
伊藤文恵さんと空間美術家の大串孝二さんが出演しました。



いまにも降り出しそうな曇り空のもと、海はどこまでも穏やかで、静かでした。


伊藤みや

2012年8月10日金曜日

8/10 児童館へ照明の出前☆


立秋も過ぎ、昨日までは肌寒かった仙台。
今日はまたパカーンと晴れて真夏日です。

今日はARC>TのOFFICE(せんだい演劇工房10-BOX)より徒歩圏内の
宮城野児童館に照明演出出前に行ってきました☆

昨年のクリスマス時期にも同じようにクリスマスコンサートの照明演出で伺った児童館です。
館長さん自らOFFICEに台本をもってきてくださり、話しをすれば面白いことが尽きない、
とても芸術文化が身近な空気の素敵な児童館。
前回のクリスマスのことを鮮明に覚えてくださっていて、
「お任せしますので!子どもたちも楽しみにしています!!」と言っていただき、
私自身もとても楽しみに今日を迎えました。

今日の行事は、朗読グループ風さんが来館して戦争にまつわる詩と物語を朗読するというもの。



事務局の現場担当ミキさんと朝1時間半程度で仕込みをし、風さんとの立ち位置等の打合せ。
あっという間に本番時間となり、遊戯室の外で行列をつくっていた子どもたちがどわっと入室。

館長先生の「館長さん館長さんゲーム」で子どもたちの緊張も解けて、
参加の子ども全員で「もういいよー」の掛け声で風さんの登場。
始まりから実にほっこりする空気。


朗読が始まり、内容からイメージする照明変化をすると場内から、
「あー海だ。」とか、
「変わった変わった!」等の反応が☆

グリーンからだんだんと変化してブルーに染まったスクリーンを見て
すぐさま海と結びついたあの子の将来が楽しみです(笑)



中には話の内容が難しかったのか、あきちゃった子もいたみたいですが、
普段図書室などで読む怖い話の本が全然平気で普段とてもやんちゃな子が、
「怖いー。二つ目の話も怖いの?」と館長先生に聞いたそうです。

朗読グループのかたの読み方や照明や音響といった普段と違う効果で、
物語の世界がよりリアルに表現されて、それを子どもはしっかりと受け取っているのですね。

自分の照明という仕事に改めて責任と意味を感じた出来事でした。
近所ですし、まだまだ面白いことを考えているそうですので、今後もお付き合いの続きそうな予感。
大切にしていきたい繋がりです。
メンバーの皆さん!!次回があったら是非アシスタントやスタッフとして参加してください。
なかなか得難い経験ですよ☆


照明:高橋亜希

海辺でおどる彼女。


あす8月11日(土)、名取市閖上にて宮城県美術館主催の追悼イベント
「元気キャラバン閖上:鎮魂・夕日のセレモニー」
が開催されます。
 午後2時46分 開会
  安田智彦サックス演奏
 午後3時30分「鎮魂・夕日のセレモニー」開会
  第1部「風の花々―日和山に風車の花を咲かそう」
  第2部 鎮魂と再生のパフォーマンス『海の星』午後5時開演

↑この第2部で、空間実験こがねむしやおはようシアターなどで活躍するダンサー、伊藤文恵さんが踊ります。

 海の星 | 鎮魂と再生のパフォーマンス
 ― 海に消えた命は海の星となって永久に輝くことを希って ―
日時: 2012年8月11日(土)  午後5時
場所: 閖上魚市場仮設ステージ
出演: 大串 孝二 (空間美術家) & 伊藤 文恵 (舞踏家)

くわしくは宮城県美術館のウェブサイトをごらんください。
http://www.pref.miyagi.jp/bijyutu/mmoa/ja/navigation/index.asp?url=../education/education-06-03.html

事務局 伊藤みや

2012年8月8日水曜日

8/1 せんだい若者サポートステーション出前



せんだい若者サポートステーション(以下サポステ)の
「体も心もやわらかく ストレッチ&ダンス」の報告です。
ARC>Tからは、私矢野と、上島奈津子さん、事務局高橋彩さんが参加。
サポステからはスタッフ矢崎さん、佐藤さんと、若者の参加者は5人。
初めて午前中の開催でしたが、個人的に心配だったバイパスの出勤ラッシュもそれほどでもなく
この暑さの中では涼しいうちで良かった。

さて創作ダンス、ケツメイシの「ボラーレ」は
前回の振り返りからコンタクト(二人以上で触れ合って行う)の振付を
名付けて、猫パンチダンス、かざぐるまダンス、アルプス一万尺、ハイタッチコーナーの
4パターン入れてやってみました。
メンバーさんの一人は「自分はリズム感がいいかもと悦にいってしまった」くらいノリノリ!!
かざぐるまダンスは補助者瀬川さんのアイデアで
重ねた手を中心にクルクル回るだけなんですのですが
自分も「フーーー」と声を上げてしまうくらい気持ち良くてメンバーさんからも好評。
よく放っておくと一人でくるくる回ってる子どもがいるけど
その感覚もあるし、何か(かざぐるま)になる真似っこ遊びと、
何人かでコンタクトでやってる楽しさと、
なんだかダンス的楽しい要素がいっぱい入ってる!!!
このWSが私一人じゃなくARCTのメンバーのいろんなアイデアが入って
メンバーさんがいてできることなんだなあと私も感動してしまいました。

それから、バレエ用語を覚えたいと言っていたメンバーさんのために、
初歩的なバレエ用語のプリントを作っていきました。
そのメンバーさんはこれをフランス人のお友達との会話にも役立てるとのこと!
私がバレエを教えていて大事にしていることは、
まずは健やかであって欲しいということと、
バレエを通して他の文化芸術にも興味を広げてほしいということなので、
バレエというツールをここにも手渡しできてきていることがとてもうれしい一日なのでした。

矢野文子(ヤノバレエスタジオ&アーツ)

2012年8月7日火曜日

せんだい若者サポートステーションでワークショップ




長保めいみさんと横山真さんのブログから
許可を得て転載させていただきました↓

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7月31日、せんだい若者サポートステーションにて、
コミュニケーションワークショップのファシリテート。
2回目。

基本は劇団で日頃行っているワークショップ。
それをベースに、サポートステーションさんの依頼に応じて、
ワークを選んで組み立てている。

前回が身体中心のワークで、
今回は声を出すワークをとのご要望があったので、
ワークの前に、なるべく解りやすく腹式の呼吸法も入れて、
身体全体から声を出していくワークを選んだ。

参加者は前回参加の3名と新しく参加の2名そして職員のYさん、Sさん。
ARC>Tから上島奈津子さん、横山真さん、
事務局の高橋彩ちゃんとながほの4名で、合計11名。
前回も参加のHさんは、実は石巻からいらしているとのこと。
なんだか感激してしまった。

実は、予定してきたメニューの半分ほどしか出来なかった。
予め多めに考えてあったとはいえ、自分の時間配分に対する勘の悪さにがっかりする。
ワークのファシリテートは、ながほにとっても大きな勉強。
自分の足りない所や課題がずらずらと見えて来て、辛くもあるけれど、
色々な気づきがあって、とても楽しい。

今日しみじみと共感したのは、

「みんな、話したい。聞いてほしいんですね。」という、職員Sさんの声。

まったくその通りなのだと思う。
こころが満ちると、人の顔は柔らかくなる。
帰る時の「さようなら」の言葉があたたかいと、からだも軽くなる。

そんな午後。

長保めいみ

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7/31(火)14:00~16:00
ARC>T出前部「せんだい若者サポートステーション」コミュニケーションWS
@八本松市民センター

■ファシリテーター:長保 めいみ(シェイクスピア・カンパニー)

今回、初めて参加の「せんだい若者サポートステーション」さんの方々を
対象としたコミュニケーションWS(自分はファシリテーターである長保さんの補助としての参加)。
普段演劇にほとんど触れたことのないような方達と、
演劇ならではのアプローチを駆使してコミュニケーションの楽しさを
味わってもらおうという内容のワークショップでした。

自分は、俳優以外の方を対象とした演劇WSをファシリテートした経験が
比較的少ないため(発声指導ならば結構多いのだけれども)、
今回のような機会を得ることができたのは非常に有り難いことでもあり、
また、今後はこういった方々を対象としたWSも
開催してゆくようにしたいなと考えているため、
長保さんのファシリテートから盗めそうなものは
じゃんじゃん盗んでゆくつもりの姿勢で参加しておりました。


今回、こうして参加してみてつくづく実感したことは、
場の空気作りというのは本当に重要なんだなということで、
特に今回のような場そのものに不慣れである方々と一緒にWSを行ってゆくには、
まずは「あなたのままでいいんだよ」ということを実感として
知ってもらうことなのだなと、それが基本なのだなと、
そんなことを再確認させてもらいました。
「あなたのままでいいんだよ」ということを肌で理解するから、
一緒にいる人がみんな違っていても気にならなくなるし、
その違いを認めることができるようになるのだと思うのです。
そしてその違いをお互いで認め合えるようになるからこそ、
人と関わることの楽しさのようなものに気付けるようになるのだろうなと、
そんな風に思います。

まあ、実際には必ずしもそんなに簡単にはいかないことも沢山あることでしょう。
が、しかし、「人と関わる楽しさ」というものを
体験的に知っているかどうかというのは、
人とのコミュニケーションをとる上では非常に大きな差になってゆくはずです。

但しここまで書いていてふと思ったのですが、
そこには大きな落とし穴もあるように思います。
それは、こういった場では人と関わることが楽しくて仕方ないのに、
一歩外へ出ると全くうまくいかなくなって、
WSの場以外では逆にこれまで以上に人と関わることが怖くなってしまう、
という可能性がゼロではない、という点です。

なので本人の中でのコミュニケーションにおける成功体験を
少しずつでいいから積み重ねてゆくことと同時に、
WSの場から持ち帰って当人達の日常生活の中でも
活かしてゆけるような体験もしてもらえるような、
そんな時間の過ごし方を用意してゆくことが、
今回のような趣旨のWSでは大切になってくるのかなと、
そんなことを思いました。
その瞬間瞬間に集中し、目の前の人達と精一杯向き合うことと同時に、
参加者の方々のこれからのことも視野に入れて取り組んでゆく、、、
そんな今とこれからと、その両方を見据えたファシリテートを心がけることが、
とても大事なことなのでしょうね。


とても楽しく、そして自らのこれからに繋がるような
発見もあったとても有意義な時間でした。

自分もこちらのWSへは近いうちにファシリテーターとして関わる可能性が高いため
(というか、もしその話が今回叶わなかったとしても、
希望は出し続けるのでいずれは関わることとなるはずです)、
今回のWSにて気付いた点や浮かんだアイデアをもう一度さらってみて、
じっくり考えてみたいなと思います。
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ファシリテーターの長保さん及びせんだい若者サポートステーションさん、
そして参加者の皆さん、本当にありがとうございました!

8/3(金) 多夢多夢舎「美術のじかん」レポ




横山真さんのブログより、
許可を得て転載させていただきました。
横山さん、いつもありがとうございます!

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8/3(金) ARC>T出前部 「美術のじかん」 @多夢多夢舎中山工房

■ファシリテーター:千田 みかさ(すんぷちょ)

今回で2回目となる「美術のじかん」。

やっぱり面白い。
どんどん自分の中の常識のようなものが引っぺがされてゆくので、
色々と凝り固まっていたものがほぐれてゆくのがわかるんですよね。

ここへ参加すると、否が応にも自分の呼吸の仕方を思い出させてもらえるので、
ちゃんと自分の呼吸、自分のリズムに誇りを持って
歩んでゆこうとすら思わせてくれる、そんな場所です。

なんというか、ここでは、一対一の関係なのです。どこまでいっても。
もちろん、みんなで何かひとつのことをするようなこともあるし、
決して一人ひとりがバラバラで好き勝手やっている、という訳ではありません。
しかし、ここで言う「みんな」というのは、
周囲との同調そのものが目的化してしまっているようなもたれ合いの
「みんな」という単位では決してなくて、
ちゃんと一人ひとり自分があった上での「みんな」なんです。
そしてだからこそ、その「みんな」の中に身を置いていると
自然に自分の呼吸がどんなものであったのか、思い出させてくれるのです。


こうして毎回沢山の頂きものをもらっているだけに、
こちらからも何としてもその恩返しをしたいなと思う訳なのですが、
しかしあんまりそのことにばかり気を取られてしまって気負い過ぎてもよくないし、
何よりそこにとらわれてしまうことで
向き合うものが目の前の存在から離れていってしまうかもしれません。
それでは本末転倒です。

それだけに、とにかく今の自分にやれることへ
全神経を傾けることの方が重要なのだろうなと、
今はそう思うようにしております。
とにかく今の目の前の状況に対し全力を尽くすこと、
その中で結果的に相手への恩返しに繋がってゆくのだと、
そういう心持ちで臨んでゆこうという訳です。


実はこの考え方に至ったのも、
今回のこの時間の中で得た経験に拠るところが大きかったりします。

正直言って、今回が2回目の「美術のじかん」への参加ということもあり、
まだこの時間の過ごし方というか
自らの身の処し方のようなものが定まりきれておりませんでした。
そのため前半はただただ周りの進行に対応してゆくことにばかり気を取られ、
何も見えず、何も感じられないような精神状態でありました。
が、途中でTさんの絵を描く補助に回ることとなった時に、
肚を括って場の全体の流れのようなものを追うことを諦め、
Tさんとのやり取りに全身全霊を注ぐことへと集中してみたところ、
彼との間に驚くほどのクリエイティブな関係を築けた(ように感じた)のです。

とはいえTさんの隣へ座った直後は、
ぶっちゃけどう接していいのか全く分からなかったです。
視線が絵から離れてしまった時はどうすれば再び絵の方へと意識を戻してくれるのか、
或いは手が止まった時にはどのように働き掛ければいいのか、など、
彼の行動にどう対応してゆけばいいのか皆目見当のつかないままに
手探りで臨んでゆくような状況でした。

しかし、途中からこちらの価値観で彼の行動を評価することをすぱっと辞めて、
彼の身体と同調してみることを試し始めたところ、
これがどうやらドンピシャだったらしく、
そこから先はこれまでの苦戦が嘘のようにスムーズに
コンタクトをとることができるようになりました。

「同調」というと抽象的なのでもう少し具体的に挙げるならば、

・彼が絵から視線を外せば自分も同じ方を見、
もし何か気になることがあれば声をかけてみて、
何も気にならなかったら話しかけずにそのまま黙って同じ方向を見続ける。

・筆のタッチが変われば、
こちらもそれに応じて紙の角度やパレットの差し出し方などに変化を加えてみる。

・もし筆が止まったりすれば、そのブレイクタイムを利用して
筆を湿らせてみたり絵の具を補充したりして、
いつでも再始動することのできる万全の体勢を作っておく。

などというような感じで、
自分の中では「補助」という感覚は一切なくて、
完全に共同創作をしている感覚でした。

その結果、なんとも素敵な絵が完成し、
Tさん自身も周りから褒められる度に
どこか誇らしげな表情をしていたように見えたのが本当に嬉しかったです。。
涙出そうでした。

や、で、まあ、そういう経緯があったために、
「今、ここ」に没頭し、目の前の人と全力で向き合うことっていうのは
とても重要なことなのだなぁ、と、そこの話に戻る訳です。


本当に、毎回参加する毎に違った発見があるので
とても有り難い場だなと思っております。

が、それも毎回全力でぶつかっていこうという姿勢あってのことであり、
それだけに、「まあ、こんなもんだろ」というような心の緩みが
少しでもそこへ混じれば、得られるものも激減してしまうことでしょう。
場に慣れることは大事だけれども、
それが馴れ合いに繋がってしまうことだけは避けなければなりません。

毎回毎回、全力で、誠実に。
このことだけは決して忘れてしまってはならないことだなと、
思っております。


今回も、ありがとうございました。

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こちらの手違いで、横山さんとTさんの作品の写真を撮り忘れて
しまっていました!
とてもきれいな作品でしたので、
後日撮影し、この記事に掲載させていただきたいと思います。

あるくと事務局 髙橋彩

2012年8月5日日曜日

8/3 うつみね児童館「シンボル完成!」篇





8/3。快晴。
福島県須賀川市立うつみね児童館。

日産プレジデント基金あそびプラスOneプログラムとして
ARC>Tメンバーの川熊さん、小濱くん、千田くん、大沢で児童館のシンボル(看板)づくりに参加してきました。

この日集まったちびっこ43名。
児童館の先生方6名。
みんな1つずつ自分のシンボルを作り、
それらを縦90cm×横140cmの大きな板の上に思い思いにならべました。

世界にひとつしかない「うつみねじどうかんのシンボル」ができあがりましたよ。

最高に楽しい時間をありがとう!!

福島の須賀川に、会いにいきたい人がたくさんできました。

今秋10/6(土)は児童館のオープンデー。
また会う約束をしてきました。

大沢佐智子

2012年8月1日水曜日

7/31 kid'sプロ美郷 ごあいさつ篇




7/31。夏の緑が美しい日。
1週間後、一緒に秘密基地をつくるちびっこ達に会ってきました。

この日は1年生から6年生まで30人くらい。
午前中はお誕生会と映画の時間。
午後はそれぞれ好きな遊びで施設内での時間を過ごしていました。

お昼には1年生ガールズのテーブルにお呼ばれ。
かわいいおしゃべりに混ざりながら???一緒にお弁当を食べました。

8/8、室内でおもいっきり遊びます。


大沢佐智子

7/30 うつみね児童館 ごあいさつ篇




7/30。夏日。
数日後、児童館の看板作りを一緒にやるちびっこ達に会ってきました。

この日児童館にいたのは、主に1~3年生約50人。
とにかく元気。
元気のかたまり。

みんなとても人なつっこくてカワイイ。

あやとり、UNO、鬼ごっこ。一緒に遊びました。
お弁当、ポケモングループで一緒に食べました。

廊下には先生お手製の「看板作り予告ポスター」。
どんなシンボルができあがるかなぁ。

8/3が楽しみです。


大沢佐智子