2012年8月14日火曜日

Kid'sプロ蓬莱に







日産プレジデント基金あそびプラスOneプログラムとして
Kid'sプロ蓬莱に出前に行った
白鳥英一さんのプログラム「おぼろ月、龍の嫁入り」
に参加した松田竜一です。

8/6
ゆうたんにただ一言「行く?」といきなり言われて、反射的に「行く」と答えてしまい、
10分後にはわけもわからず村長役の台詞を読んでいたという今回の出前稽古。
いまとなってはあの時アルクト事務所でぼおっとしてて、よかったなと思ってます。

この日、役者も初めて朗読劇の台本をもらい、とりたててウォームアップなどなく読み合わせが始まりました。
台本をもらうのはいつでもワクワクするのですが、今回の龍への嫁入り譚はとても面白かったのです。
だから、参加しているキャストたちが、急遽の僕も含めて自然と動きたくなっているのが感じられ、
二回目には既に、台本をもった立ち稽古のようになっていました。

台詞を覚えなければいけないという労力が不要な分、
芝居心と空間に対する動線の感覚が自由に使うことができたと思います。
短い話なので、台詞直し、動線の意識確認をさくさく行う中に、龍にミエがまたがって空を飛ぶ情景などが
ふっとしっかり姿をあらわしていく様を目にして、ほんとうに参加してよかったと思いました。
芝居は何もなくても身体と想像力があればできる。
音楽と美術と光があればなお良い。
そういう基本的なところをみた気がしました。
ミエ役に少し歌が入ったのもよかった。

自分も最年少で村長ふられたときは今日中に降ろされると思ったけど、なんとかならずにすみました。

演劇がおもしろいと思えたことがこの日のとても大きな出来事でした。


8/7
稽古回数一回。いきなりの本番。
福島にくるのは初めてで、僕と同じ背丈の線量計が立つ児童館を見るのも初めて。
だけど、それ以上に子供たちに芝居をするっていうのが初めてでした。
けど、あまり不安はなかったです。
では、はじめまーす、という感じで、本番が始まりました。
ふすまをパネルにしただけの簡素な舞台です。
だけど、楽しかった。
子供たちと芝居をやりながらなんだか目と目が合ってコミュニケーションが生まれてしまい、
芝居を通して遊んでたら子供から「すんげえおもしれえんだけど」という声が起こり上々です。
ありおさんの龍がまた、全霊でやってくださるものだから、子供たちも共演者も楽しめました。
上島さんとアリオさんのシーンは芝居の緊張感が見え、子供にもそれが伝わったろうと思います。
やぁさんの語りが流れを寄せて行くのですがその中登場していったのは心地よかったです。
もっと泣かせるところは泣かせたかったと思うのですが、そこは…力及ばず。

でも結果としては、子供も僕らも面白かったといえたのでよかった。

観劇後の子供達のモチベーションをそのまま活かす形で始まったので5、6人で支える龍という
大きな工作でしたが、ガンガン形が出来上がって行ったと思います。

やっぱり大人側が芝居をやりきってスッキリした状態で工作の時間にはいれたというのは大きかった
と思います。


子供にやり方を教えるのではなく、発想させることもよくできたんじゃないかなと思います。
まず作戦会議として10分絵を描いてもらい、時間がきたら材料を争奪し、手に入り次第作り始める
という流れで工作が始まりました。
チームがふたつに分かれたのですが、うちのチームには女手しかおらず、飾り付けの話ばかりでどうなるのか
と思ってましたが、はじめに足を布につけるという大元のアイデアに取り掛かっていたため最後はちゃんと
龍になりました。
その辺は多少、大人が、子供に相談を持ちかけながらも、先に流れを作っておいたところはあると思います。
ふたチームとも、テイストのバラバラな巨大龍を時間内に作りあげることができました。
今思えば、あの時間内であそこまで作れたのはすごいと思います。
子供たちが5、6人で持ち上げる大きな龍だったのですが、大人が背負って子供たちに見せてあげることも
できました。
子供たち大喜び。作戦会議の時間をもっと工夫すると、工作に入る前に女の子も男の子ももっとアイデアが
だせるようになるかもしれません。
あと、出来上がった龍で遊ぶ時間が少し少なかったので、もっとそのあたり欲張ったプログラムを作っても
いいかなと思います。
時間が短かったので今回はこれがせいいっぱいだったと思います。
今回は、とにかくあらゆる素材を持ち込んだわけですが、この素材にもっとクローズアップして、
ものをつかうとなにができるかということを豊かに発想するプログラムに発展させることもできそうだな
と思いました。
そう考えると可能性を持ったプログラムだと思います。

でも、やはり今回の一番のポイントは初めの朗読劇のクオリティがしっかりしていたことにあると思います。
だから、そこからはいくらでも展開していいという風になるわけで。
子供たちはやはり普段見れないものを見たがっていて、見た後は参加したがるものだから、
お芝居の人は、純粋にお芝居を見せるのが一番有効なのかもしれないなと思いました。

今回の出前、参加させてもらえたことほんとうに良かったです。

松田竜一

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