2012年8月7日火曜日

8/3(金) 多夢多夢舎「美術のじかん」レポ




横山真さんのブログより、
許可を得て転載させていただきました。
横山さん、いつもありがとうございます!

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8/3(金) ARC>T出前部 「美術のじかん」 @多夢多夢舎中山工房

■ファシリテーター:千田 みかさ(すんぷちょ)

今回で2回目となる「美術のじかん」。

やっぱり面白い。
どんどん自分の中の常識のようなものが引っぺがされてゆくので、
色々と凝り固まっていたものがほぐれてゆくのがわかるんですよね。

ここへ参加すると、否が応にも自分の呼吸の仕方を思い出させてもらえるので、
ちゃんと自分の呼吸、自分のリズムに誇りを持って
歩んでゆこうとすら思わせてくれる、そんな場所です。

なんというか、ここでは、一対一の関係なのです。どこまでいっても。
もちろん、みんなで何かひとつのことをするようなこともあるし、
決して一人ひとりがバラバラで好き勝手やっている、という訳ではありません。
しかし、ここで言う「みんな」というのは、
周囲との同調そのものが目的化してしまっているようなもたれ合いの
「みんな」という単位では決してなくて、
ちゃんと一人ひとり自分があった上での「みんな」なんです。
そしてだからこそ、その「みんな」の中に身を置いていると
自然に自分の呼吸がどんなものであったのか、思い出させてくれるのです。


こうして毎回沢山の頂きものをもらっているだけに、
こちらからも何としてもその恩返しをしたいなと思う訳なのですが、
しかしあんまりそのことにばかり気を取られてしまって気負い過ぎてもよくないし、
何よりそこにとらわれてしまうことで
向き合うものが目の前の存在から離れていってしまうかもしれません。
それでは本末転倒です。

それだけに、とにかく今の自分にやれることへ
全神経を傾けることの方が重要なのだろうなと、
今はそう思うようにしております。
とにかく今の目の前の状況に対し全力を尽くすこと、
その中で結果的に相手への恩返しに繋がってゆくのだと、
そういう心持ちで臨んでゆこうという訳です。


実はこの考え方に至ったのも、
今回のこの時間の中で得た経験に拠るところが大きかったりします。

正直言って、今回が2回目の「美術のじかん」への参加ということもあり、
まだこの時間の過ごし方というか
自らの身の処し方のようなものが定まりきれておりませんでした。
そのため前半はただただ周りの進行に対応してゆくことにばかり気を取られ、
何も見えず、何も感じられないような精神状態でありました。
が、途中でTさんの絵を描く補助に回ることとなった時に、
肚を括って場の全体の流れのようなものを追うことを諦め、
Tさんとのやり取りに全身全霊を注ぐことへと集中してみたところ、
彼との間に驚くほどのクリエイティブな関係を築けた(ように感じた)のです。

とはいえTさんの隣へ座った直後は、
ぶっちゃけどう接していいのか全く分からなかったです。
視線が絵から離れてしまった時はどうすれば再び絵の方へと意識を戻してくれるのか、
或いは手が止まった時にはどのように働き掛ければいいのか、など、
彼の行動にどう対応してゆけばいいのか皆目見当のつかないままに
手探りで臨んでゆくような状況でした。

しかし、途中からこちらの価値観で彼の行動を評価することをすぱっと辞めて、
彼の身体と同調してみることを試し始めたところ、
これがどうやらドンピシャだったらしく、
そこから先はこれまでの苦戦が嘘のようにスムーズに
コンタクトをとることができるようになりました。

「同調」というと抽象的なのでもう少し具体的に挙げるならば、

・彼が絵から視線を外せば自分も同じ方を見、
もし何か気になることがあれば声をかけてみて、
何も気にならなかったら話しかけずにそのまま黙って同じ方向を見続ける。

・筆のタッチが変われば、
こちらもそれに応じて紙の角度やパレットの差し出し方などに変化を加えてみる。

・もし筆が止まったりすれば、そのブレイクタイムを利用して
筆を湿らせてみたり絵の具を補充したりして、
いつでも再始動することのできる万全の体勢を作っておく。

などというような感じで、
自分の中では「補助」という感覚は一切なくて、
完全に共同創作をしている感覚でした。

その結果、なんとも素敵な絵が完成し、
Tさん自身も周りから褒められる度に
どこか誇らしげな表情をしていたように見えたのが本当に嬉しかったです。。
涙出そうでした。

や、で、まあ、そういう経緯があったために、
「今、ここ」に没頭し、目の前の人と全力で向き合うことっていうのは
とても重要なことなのだなぁ、と、そこの話に戻る訳です。


本当に、毎回参加する毎に違った発見があるので
とても有り難い場だなと思っております。

が、それも毎回全力でぶつかっていこうという姿勢あってのことであり、
それだけに、「まあ、こんなもんだろ」というような心の緩みが
少しでもそこへ混じれば、得られるものも激減してしまうことでしょう。
場に慣れることは大事だけれども、
それが馴れ合いに繋がってしまうことだけは避けなければなりません。

毎回毎回、全力で、誠実に。
このことだけは決して忘れてしまってはならないことだなと、
思っております。


今回も、ありがとうございました。

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こちらの手違いで、横山さんとTさんの作品の写真を撮り忘れて
しまっていました!
とてもきれいな作品でしたので、
後日撮影し、この記事に掲載させていただきたいと思います。

あるくと事務局 髙橋彩

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