2011年7月19日火曜日

紫陽花とビール

むかし、仙台に「あべひげ」というそれはそれはへんてこな居酒屋がありました。

店主のあべさんは舞踏や芝居や美術やダンスや、創る人たちを愛する人でした。心から。
私たちは打ち上げだなんだとあの店によく集まりました。ほんとによく。
芝居ってなんだ、踊るって何だ、と夜が明けるまで語り合ったものです。酔っぱらって。
仙台の舞台表現について語るとき、あの店と彼を抜きにしては語れません。おそらく。いえ、絶対。

今日はあべさんのお墓参りに来ました。ふと。
おどる友人とピアノ弾きの友人と3人で、お墓の前に坐り込んでおしゃべりしました。ずっと。
久しぶりにあべひげに来たみたいな感じがしました。なぜか。
しゃべることはいつものように舞台のことでしたが。やっぱり。

「お前らの好きなようにやればいいんだ〜飲めっこの!」

あべさんの口ぐせです。
その言葉に地元の表現者たちはどんなに励まされたことでしょう。


…あべさんなら今なんて言うか聞いてみたかったなあ。

(やや個人的な話ですみません)


伊藤みや

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